図解でわかるポートフォリオ理論

4.効率的フロンティア

ポートフォリオの最適化

 

投資家が満足する証券の組み合わせ、すなわち最も効用の大きいポートフォリオは、どのように決定されるのでしょうか。次の証券の組合せを考えてみましょう。

 

1.リスクのない証券A(普通預金など)

2.比較的リスクが少ない代わりにリターンもそれほど高くない証券B

3.中程度のリスクに対して中程度のリターンが期待できる証券C

4.リスクは高いがそれなりに高いリターンが期待できる証券D

 

Aを除いてBCDの3つの証券は、それぞれ違う相性(相関関係)をもった証券ですから、BCの間では図のような相関関係による曲線ができます。同じようにCDBDとの間でも同様の曲線ができます。曲線が左上方に弓なりになるのは、相関関係の違う互いの証券を組み合わせると、一つずつ個別証券に投資するよりもリスクが低減し、投資の効用が大きくなるからです。そして、BCCDBDそれぞれの組み合わせをすべて合成したポートフォリオの曲線(図の太線の部分)が効率的フロンティアとなります。効率的フロンティア上では、投資の効用が最も最大になり、同一のリスク(標準偏差)の中ではリターン(期待収益率)が最大となる投資機会の集合線です(無リスク資産を含まない効率的フロンティア)。

 

実際のポートフォリオでは、リスク証券だけではなく、リスクのない証券(無リスク証券)も投資対象となります。無リスク証券は標準偏差ゼロの証券ですからグラフの縦軸の一点となります。この点から直線を伸ばし、さきほどの効率的フロンティアの曲線に接する点が最も最適な組み合わせで「接点ポートフォリオ」と呼ばれます。そして、無リスク証券を含んだ効率的フロンティアは、無リスク証券Aと接点ポートフォリオを結んだ延長上にある線となります。つまり、この線上にあるリターンとリスクの組み合わせによってポートフォリオはその投資家の選好において最適となるわけです。

 

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